「ラーメンライブラリー」をご存知？

韓国でいう「ラーメン」とは、主にインスタント麺のこと。お湯を入れるだけで食べられるカップメンもあれば、鍋にお湯を沸かし、具材を入れて作る「袋麺」も韓国では大人気です。2023年、韓国人1人が消費したラーメンは77個で世界第２位だとか。こんなにラーメンを愛するなら、ドラマにラーメンを食べるシーンがよく出てくるのもおかしくないですよね。今日は、そんな韓国に2023年12月にオープンした「ラーメンライブラリー」を紹介します。 名前だけでは何をするところかさっぱりわからないのも当然。ソウルの繁華街であるホンデエリアに新しくできたコンビニのことです。CUコンビニのホンデ想像マダン店にできたこのラーメンコーナーは、壁一面に数百種類の袋麺が並ぶ言葉通りの「ラーメンライブラリー」。まさに図書館のように整然と並んでいるラーメンに美しささえ覚えるかもしれません。近くに住む韓国の若者はもちろん、ソウルを訪れる外国人観光客の間でも必須の訪問スポットとして口コミで話題になっているそうです。韓国と外国のラーメン230種を販売しているこのコンビニは、12月の売り上げの62%が外国人観光客だとか。ホンデ周辺を歩いていてちょっとお腹が空いたらラーメンライブラリーへ!

日本でもよく知られている「辛ラーメン(신라면)」、激辛で有名な「プルダック炒め麺(불닭볶음면)」、定番の「キムチラーメン(김치라면)」など、有名なラーメンはもちろん、韓国人もあまり知らない新商品まで、なんでもござれのラインナップ。ここの特徴は、カップ麺ではなく、茹でて食べる袋麺の種類が主流であることです。また、韓国のテレビ番組で紹介され、海外からの観光客も興味を持ったという「漢江ラーメンマシン」が複数台用意されており、自分で作ることができるのです。好みの袋麺を選び、紙容器と一緒に支払いをしたら、準備完了。作り方やラーメンマシンの操作は日本語のやさしい説明があるので安心してくださいね。

辛ラーメン程度の辛さは「普通」と考える韓国人。日本で「激辛」でも韓国だと普通レベルだとか。そんな韓国人でも辛くて食べられないと言われるラーメンがこの「プルダック炒め麺」。スープのないスタイルで、とても辛いですが、一度食べると病みつきになる、後をひく味わいです。

少しは辛めでも大丈夫という人には、ごま油の香ばしい風味が際立つ「ごまラーメン」がおすすめ。卵のブロックと、香ばしいごま油のスープで、辛い中にも深い味わいがあるのが魅力。サリゴンタン麺は、子供でも食べられる淡白な白いスープ。ソルロンタンやコムタンのようなまろやかで優しい味です。麺は細麺なので、茹でるのに時間もかかりません。 日本でも人気だった映画「パラサイト」にも登場した「チャパゲティ」は韓国式ジャージャー麺。ある程度麺に火が通ったらお湯を捨ててソースの粉を入れて混ぜるスタイルなので、初心者より中級者以上におすすめ。2人以上なら、チャパゲティと辛めのうどんであるノグリ(너구리)を組み合わせた「チャパグリ」にしてみるのもおすすめ。甘味のあるジャージャー麺が辛さと相まってクセになりますよ。

気に入った袋麺を選んだら、紙容器と一緒にレジへ。マシーンで作る時に必要な紙容器も有料なので、必ず支払いをしてくださいね。トッピング用の袋野菜やチーズ、ハム、卵なども一緒に購入することができます。会計は一般的なコンビニと同じく現金、カード、Kakao Payなどが利用できます。

ラーメンそのものももちろんおいしいけれど、せっかくならここでしかない「トッピング」メニューに注目しましょう。ラーメン1人前に必要な量だけを小分けにした「野菜パック」には、ニラやもやし、ネギ、玉ねぎなどが入っており、いつもと違う野菜たっぷりのラーメンを楽しむことができます。一般的なコンビニで販売している味付けキムチや半熟卵、燻製卵などももちろん、スライスチーズやソーセージ、マヨネーズ、ツナの缶詰、ハムまで用意されているので、お好みに味変できます。いつも慣れ親しんだ味だけではなく、新しい組み合わせに挑戦できるのもここの魅力です。

外国人観光客が多いため、ラーメンマシンの使い方も英語、日本語、中国語で案内されています。支払いが済んだ容器にラーメンとスープを入れ(粉スープと乾燥野菜スープがある場合は両方一緒に入れます)、機械の上に置き、STARTボタンを押すと自動的に水が出てきて沸騰し始めます。タイマーが鳴ったら、テーブルに運んで食べる。少し硬めの仕上がりですが、それが漢江ラーメンの味。調理済みのラーメンは熱々なので、持ち運びには注意が必要ですよ。

チャパゲッティや即席トッポッキなど、ある程度麺に火が通ったらお湯を捨ててスープを混ぜて食べるタイプのラーメンがあります。(日本のインスタント焼きそばに似てる）このような場合は、横に用意された排水溝にお湯を捨てればOK。熱いので注意してくださいね。お湯を捨てすぎると、粉スープを混ぜたときに固くなるので、適量を残しておくのがポイントです。

箸とスプーン、ティッシュは店内に用意されているので、自由に使ってOK。ラーメンの相棒はなんといってもキムチ。韓国人のように、キムチを添えたり、小包装されたたくあんを一緒に食べるのもおすすめです。おにぎりやキンパも韓国人がラーメンを食べるときによく追加するメニューですよ。

食べきれなかったスープや麺が残った場合は、専用のゴミ箱に捨てましょう。容器は容器捨て場に、木の箸とゴミは一般ゴミ箱に入れればOK。韓国は日本と違い、リサイクルの分別収集が厳しいので注意が必要です。

ちょっと辛いラーメンを食べた後は、定番のデザート「ビングレバナナ味牛乳」がおすすめ。日本でもお風呂に入った後にフルーツ牛乳やイチゴ、チョコ牛乳を飲む習慣がありますが、韓国でもママに連れられてお風呂に行った後は必ずこのバナナ牛乳を飲むのが定番。紙パックに入っているのもありますが、やっぱり定番はプラスチックの壺のもの。甘いバナナミルクの味が辛さを和らげてくれるはず。

ふわふわの生クリームがたっぷり入った「ヨンセクリームパン(연세크림빵)」が人気。柔らかい生クリームが辛い口の中を癒してくれます。さまざまなトッピングがつけられる「ビヨット(비요뜨)」もおすすめ。イチゴ、チョコ、プレーン味のヨーグルトに、シリアル系のお菓子を混ぜて食べればOK。韓国の女子中高生に大人気のおやつで、日本人観光客にも評判だとか。サクサクのシリアルがヨーグルトにマッチして甘酸っぱい味です。

日本ではあまり見かけない風景の一つが、寒い冬でもアイスドリンクを飲む韓国人の姿です。スターバックスは、冬でも温かい飲み物より氷が入ったアイスの飲み物が売れたという統計を発表するほど、韓国人は冷たい飲み物が好きです。コンビニには氷が入ったアイスカップが販売されており、このカップに注いで飲むことのできるコーヒー、各種ジュース、お茶などが販売されています。アイスカップに入れて飲むとちょうどピッタリのサイズで、口の中がすっきりするはずです。