現代と過去が共存する魅力的な都市、ソウル。建ち並ぶ高層ビル群の間に古宮が溶け込み、独特の雰囲気を放っています。美しい庭園「後苑(フウォン)」があり、王に愛された昌徳宮(チャンドックン)でかつての王宮を旅してみませんか?
自然との調和が圧巻
昌徳宮
出典 shutterstock.com
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ソウル五大古宮の中で唯一、ユネスコ世界文化遺産に登録されている古宮。戦災や天災などで正殿が使用できない場合に備えて作られた別宮で、景福宮(キョンボックン)が焼失した後、朝鮮王朝第15代王の光海君(クァンヘグン)の頃からは正殿として使用され、歴代王が一番長い時間を過ごした場所です。
規則正しい配列で作られた他の古宮と違い、自然の地形を生かした建物配置が特徴。自然との調和と原形を維持していることが高く評価され、1997年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。昌慶宮(チャンギョングン)と宗廟(チョンミョ)と並んでいるので、一緒に訪れるのもおすすめ。
知らなきゃ損!
訪問前に知っておくと便利
‣ 毎週月曜日は休み(月曜日が祝日の場合は、翌日)
‣ 一般料金は3,000ウォン(後苑は別途料金)
‣ 18歳以下、65歳以上は入場無料。
‣ 毎月最終水曜日は入場無料
‣ 韓服を着ていくと入場無料
‣ 月ごとに入場時間が異なるので事前の確認は必須
‣ ホームページで無料のガイド付きツアーの予約可
‣ 入場券を購入しなくても交通カード支払いで入場OK
* 無料ツアーは後苑以外
広い古宮内の巡り方
おすすめ観覧コース
宮殿と楼閣コース
敦化門 ⇢ 錦川橋 ⇢ 闕內各司 ⇢ 仁政門 ⇢ 仁政殿 ⇢ 宣政殿 ⇢ 熙政堂 ⇢ 大造殿 ⇢ 楽善齋
後苑コース
後苑入口 ⇢ 芙蓉池 ⇢ 愛蓮池 ⇢ 尊徳亭 ⇢ 玉流川 ⇢ 演慶堂 ⇢ 敦化門
・ 予想所要時間:2時間30分
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知ればもっと楽しめる
コース別ガイド
- 出典 shutterstock.com敦化門昌徳宮の正門である敦化門(トンファムン)。現存する古宮の大門では最古のもの。景福宮や昌慶宮と違って、正門と正殿が一直線上にないのが特徴。
- 出典 shutterstock.com仁政殿昌徳宮の中心となる建物である正殿「仁政殿(インジョンジョン)」。王の即位式や外国使節の接見などの国家的行事を執り行った場所。外から見ると2階建て構造のようですが、内部は繋がっており、華麗な高い天井を見ることができます。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration宣政殿王が臣下と共に政務を行う「便殿(ピョンジョン)」である宣政殿(ソンジョンジョン)。昌徳宮で唯一の青瓦の建物です。朝鮮後期に便殿が熙政堂(ヒジョンダン)に移されてからは王と王妃の位牌を祀る「魂殿(ホンジョン)」として使われました。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration熙政堂伝統と近代が入り混じった建物。1917年に火災で消失しましたが1920年に再建され、テーブル、シャンデリア、ガラス窓などの近代文化と伝統文化が混じり合っています。内部は特別観覧期間のみ見学可。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration楽善齋第24代王の憲宗(ホンジョン)が書斎兼生活の場としていた空間である楽善齋(ナクソンジェ)。華やかな色彩で描かれた模様である丹青(タンチョン)を用いていない建物で憲宗の質素な一面を垣間見ることができます。
- 出典 shutterstock.com芙蓉池後苑を代表する池、芙蓉池(プヨンジ)。大きな池と真ん中に松の木が植えられた島と、その背後の傾斜に建つ宙合樓(チュハプル)が見事なバランスで美しい光景を作り出しています。池は約1,000平方メートルの広さで後苑の池の中で一番の規模。
- 出典 shutterstock.com愛蓮池池の名前は蓮の花をこよなく愛した第19代王、肅宗(ソクチョン)が命名した愛蓮池(エリョンジ)。小さな池に小さな東屋があるだけで、芙蓉池のような華やかさはないものの、落ち着いた魅力があります。
- 出典 shutterstock.com観覧池3つの小さな池をひとつに繋げた大きな池、観覧池(クヮンラムジ)。池の中心には六角形をした東屋の尊徳亭(チョンドクジョン)、扇形をした観覧亭、森の中にある勝在亭(スンジェジョン)があり、それぞれ特徴ある姿を見ることができます。
- 出典 shutterstock.com玉流川後苑の一番奥に位置する小川である玉流川(オンニュチョン)。岩のすき間を縫うように流れ出る小さな滝もあります。小さな東屋がいくつかあり、古宮内で唯一、かやぶき屋根の清漪亭(チョンイジョン)があります。
風情ある宮殿を背景に
昌徳宮のおすすめフォトスポット
- 出典 cdg.go.kr/cms_for_cdg/process/photo/view.jsp?nowPage=1&show_no=28&check_no=5&c_relation=55&c_relation2=117&c_no=132#none誠正閣世継ぎの王子の勉強部屋。春には宮殿内のあちこちで紅梅が咲いて絵になりますが、中でも誠正閣(ソンジョンガク)が一番写真映えするスポット。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration承華樓承華樓(スンファル)は世継ぎの王子が本を読んだり休んだりした図書室。春は枝垂れ桜が有名。大木なので楽善齋の塀越しにもその姿を見ることができます。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration楽善齋花階花階(ファゲ)とは庭のことで、憲宗が側室のために作ったもの。建物の裏へ周ると花模様の壁、オンドルの煙突、階段状の花壇などが美しい空間を彩っています。5月にはシャクヤク、ボタン、ツツジが次々と花を咲かせ、とても華やか。
- 出典 Korea Cultural Heritage Administration錦川橋敦化門を過ぎて最初に見えてくる錦川橋(クムチョンギョ)。大きな欅が落ち着いた雰囲気を演出。錦川橋を渡り切ってから写真を撮るのがベストアングル。
昌徳宮で過ごす特別な時間
昌徳宮を100%満喫
後苑は予約必須!ガイドと巡るツアー観覧
後苑の見学は予約制。限られた人数でガイドと一緒にツアー形式で巡ります。昌徳宮の入場券以外に別途後苑の入場券が必要で、観覧希望日の6日前の午前10時からインターネットで先着順に予約受付。一部の入場券は観覧当日の9時から現地販売もあります。
後苑観覧の基本情報
・ 料金:5,000ウォン(昌徳宮の入場券別途)
・ 運営時間:10:00~16:00(1時間間隔)
・ 所要時間:90分(7- 8月、12 -2月 ⇢ 70分)
・ 購入方法:インターネット予約、現地購入
知っておくと便利!
✓ 後苑は別途料金が必要。
7 - 18歳:2,500ウォン
19歳以上:5,000ウォン
✓ 7-8月、12 -2月は安全上の都合で玉流川一帯は観覧できません。
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宮中文化を伝えるお祭り
毎年5月に開かれる韓国内で最大規模の伝統文化祭り。昌徳宮をはじめ、景福宮、昌慶宮、徳寿宮(トクスグン)、慶熙宮(キョンヒグン)のソウル5大古宮と宗廟、社稷壇(サジクダン)で開催されます。展示、演奏会、伝統儀式などここでしか体験できないさまざまなプログラムがあります。5月は子どもの日もあり、関連イベントも豊富なので、家族旅行にもおすすめ!
基本情報
・ 時期:毎年5月(年により変動あり)
・ 場所:ソウル5大古宮、宗廟、社稷壇
出典 chf.or.kr/cms/content/view/521
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敦化門守門将交代式
かつての守門将の交代儀式を再現した伝統文化行事。朝鮮後期、第22代王の正祖(チョンジョ)の時代を再現しています。吹打隊(チィタデ)の演奏に合わせて伝統衣装に身を包み、武器を持った守門軍が行進します。盾を持った「藤牌手(トンぺス)」と「鳥銃手(チョチョンス)」など他の古宮では見られない守門軍が登場し、藤牌や鳥銃などの伝統的な武器の紹介もあります。
基本情報
・ 時期:毎年4-5月
・ 場所:敦化門および金虎門一帯
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