海に面した釜山(プサン)では地域がら海の幸を使った料理がよく食べられてきました。朝鮮戦争当時に避難民が集まって暮らしていたことから韓国各地の食文化が混ざりあい、独特な食文化が生まれました。テジクッパ(豚スープご飯)、ミルミョン(小麦麺)、ネンチェチョッパル(冷菜のせ豚足煮)など釜山でしか味わえない食べ物が多くあります。釜山のご当地グルメと料理ごとのおすすめ店を紹介します。
濃厚なスープとたっぷりの豚肉
テジクッパ(돼지국밥)
豚骨を煮出したスープに茹で豚の薄切りとご飯を入れて食べるクッパ(スープご飯)。釜山の名物料理です。土鍋ひとつで出てくるので簡素に見えますが、濃厚なスープとたっぷりの豚肉でお腹がいっぱいになります。ホルモンクッパ、豚カシラの茹で肉クッパ、スンデクッパなど具材にバリエーションがあり、特製ダレやアミの塩辛で自分好みに調味して食べます。
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テジクッパが食べられるおすすめ店
- 水営テジクッパ飲食店釜山
- 本銭テジクッパ飲食店釜山(南浦洞)
- ハプチョン一流テジクッパ 本店飲食店釜山
- サンドゥンイテジクッパ 1号店飲食店釜山
- ソンジョン3大クッパ飲食店釜山(西面)
小麦粉で作ったやわらかい麺
ミルミョン(밀면)
ミルミョン(小麦麺)は朝鮮戦争当時、冷麺の原料であるジャガイモやそばが手に入らず、小麦粉で麺を作ったことからはじまりました。あっさりした出汁スープに特製ダレで味付けするのは冷麺に似ていますが、よりやわらかく太い麺がミルミョンの魅力。夏には冷たい出汁スープが入ったムルミルミョン(水小麦麺)やビビンミルミョン(混ぜ小麦麺)を、冬にはキムチをのせた温かいながらもピリッと辛いオンミルミョン(温小麦麺)を楽しめます。
知っておくと便利!
はさみで切らずに食べてこそミルミョンならではの食感を感じることができます。また、酢とからしを適度に入れることで出汁スープのコクが引き立ちます。
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ミルミョンが食べられるおすすめ店
- 草梁ミルミョン 本店飲食店釜山(南浦洞)
- 海雲台カヤミルミョン飲食店釜山(海雲台)
- ハルメ伽耶ミルミョン飲食店釜山(南浦洞)
- 元祖開琴ミルミョン飲食店釜山
- 国際ミルミョン 本店飲食店釜山
- 西面ミルミョン飲食店釜山(西面)
食感がよく淡白な味が逸品
ヌタウナギ焼き(꼼장어구이)
練炭の火でヌタウナギ(コムジャンオ)を焼き、皮だけ剥いていただきます。コシがあって淡泊な味が絶品。ヌタウナギは元々革製品として使われていましたが、朝鮮戦争当時、避難民が空腹をしのぐために食べたことがはじまりといわれています。釜山のヌタウナギ料理には、機張(キジャン)式とチャガルチ式の2つの調理方法があります。機張式はヌタウナギを生きたままわらで焼いて塩焼きで食べる方法。チャガルチ式はヌタウナギとたっぷりの玉ねぎを辛味ダレで混ぜ合わせてから炒める方法です。
知っておくと便利!
チャガルチ市場、温泉場(オンチョンジャン)、機張などのエリアにはうなぎ専門店が集まるヌタウナギ横丁があります。ヌタウナギ横丁ではヌタウナギ焼きだけでなく穴子やハモの刺身も味わえます。
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ヌタウナギ焼きが食べられるおすすめ店
- 第一サンコムジャンオ飲食店釜山(南浦洞)
- 海辺チッブルコムジャンオ飲食店釜山
- イファジャンフェッチプ飲食店釜山
- イルムナン機張サンコムジャンオ飲食店釜山(海雲台)
よりおいしく食べるには事前知識を!
刺身で食べたい魚の旬はいつ?
釜山の近海は海の幸の宝庫。近頃はほとんどの魚介類が養殖されているのでいつでも食べられますが、刺身は旬に食べてこそ本来の味を楽しむことができます。釜山で必ず食べたいヌタウナギは7月、メイタガレイやクロソイは3~6月、ヒラメは9~12月が旬です。
釜山の主な魚の旬
・フグ:11月~3月
・ヌタウナギ:7月
・メイタガレイ:3月~6月
・クロソイ:3月~6月
・スズキ:6月~8月
・ヒラメ:9月~12月
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刺身が食べられるおすすめ店
- 民楽刺身タウン観光名所釜山
- チャガルチ フェッチプ飲食店釜山
- 釜山名物フェッチプ飲食店釜山(南浦洞)
- 機張市場 活魚センター観光名所釜山
- ミョンソンフェッチプ飲食店釜山
弾力のあるチョッパルと甘酸っぱいからしソースのハーモニー
ネンチェチョッパル(냉채 족발)
薄く切ったチョッパル(豚足煮)にクラゲの冷菜、きゅうり、にんじんをのせて、からしソースをかけて食べる釜山の名物料理です。チョッパルとクラゲのコリコリした食感と野菜のシャキシャキ感、からしソースの刺激が口の中で絶妙なハーモニーを奏でます。チョッパル専門店が集まる富平洞(プピョンドン)チョッパル横丁店には、ネンチェチョッパルの元祖のお店があります。
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ネンチェチョッパルが食べられるおすすめ店
- 元祖釜山チョッパル飲食店釜山(南浦洞)
- 漢陽チョッパル飲食店釜山(南浦洞)
- ホンソチョッパル 西面店飲食店釜山(西面)
海の幸がいっぱい入ったチヂミ
東莱パジョン(동래 파전)
ワケギにテナガダコ、牡蠣、海老などの海鮮をのせ、小麦粉ともち米粉を混ぜた生地と一緒に焼く料理です。仕上げに溶き卵をまわしかけ蓋をして火を通しますが、韓国で一般的なネギチヂミのようにサクサクしているのではなく、しっとりとした口当たりが東莱(トンレ)パジョンの特徴。醤油ではなく酢コチュジャンにつけて食べる方法も釜山ならではです。
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出典 Triple
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東莱パジョンが食べられるおすすめ店
- 東莱ハルメパジョン飲食店釜山
- 凡一ピンデトッ飲食店釜山
- ソムンナン東莱パジョン飲食店釜山
豆もやしとセリ入りのさっぱりスープ
ふぐスープ(복국)
ふぐ、豆もやし、セリなどを入れて煮込んだスープ料理。1970年に在日韓国人が釜山でふぐスープ店を創業して以来、韓国に定着しました。日本式のふぐスープはふぐ以外の材料を入れませんが、韓国式ふぐスープは豆もやし、セリ、大根などを入れて煮込むことによるさっぱりした味わいが特徴です。ふぐスープは粉唐辛子で辛味を加えない透明スープのものと、粉唐辛子を入れて辛く煮込んだメウンタンの2種類があります。
出典 www.instagram.com/p/BykHPKVH496/
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ふぐスープが食べられるおすすめ店
- クムスポッグク 海雲台店飲食店釜山(海雲台)
- 草原ポックッ飲食店釜山
- ハルメチプ元祖ポックッ飲食店釜山(海雲台)
- 元祖ハルメポックク飲食店釜山(海雲台)
ホットクの中にナッツがいっぱい
ナッツ入りホットク
南浦洞(ナンポドン)の通りからはじまり、有名になった釜山名物の屋台おやつ。ホットクに切り込みを入れ、ナッツ類をたっぷりトッピングします。ナッツ入りホットクは一般のホットクと違って浸るほどの油で揚げるのが特徴。カリッと揚がったホットクとナッツの食感、噛むたびに広がる香ばしい風味はまさに絶品です。
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ナッツ入りホットクが食べられるおすすめ店
- 元祖スンギシアッホットク飲食店釜山(南浦洞)
- チンチャ元祖アジョシシアッホットク飲食店釜山(南浦洞)