韓国の蒸し暑い夏を乗り切るにはスタミナ料理が必須。参鶏湯は、栄養たっぷりの食材をふんだんに使用した鶏料理です。韓国では暑い夏に体力をつけ、疲れた身体を回復させる料理として親しまれています。韓国の土用の丑の日にあたる、伏日(ポンナル)には参鶏湯を食べる文化があります。伏日は「初伏」、「中伏」、「末伏」の3日間あり、今年の伏日は7月15日、25日、8月14日。当日はアツアツの参鶏湯を味わう地元の人たちで溢れています。
ソウルにはそれぞれ個性を持った参鶏湯のお店が存在します。参鶏湯について詳しく解説しながら、指折りの美味しいお店を紹介していきます。
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鶏の中に高麗人参やナツメ、もち米、ニンニクなどを入れて作る韓国の伝統料理です。参鶏湯に入れる具材は店ごとに少しずつ異なりますが、ほぼ必ず入っている高麗人参からは特有の香りがほのかに感じられます。辛いメニューが多い韓国ですが、参鶏湯はマイルドな味わいで海外旅行客や子どもにも人気のメニューです。
スプーンや箸を使い、鶏肉を食べやすい大きさに分けた後、スープと鶏肉、鶏のお腹に詰めたもち米を一緒に食べます。基本的には味がついていますが、好みに合わせて胡椒や塩を振って味を整えます。一部のお店では高麗人参で作った韓国の伝統酒「高麗人参酒」も合わせて出てきます。このお酒は食前に飲んでもよし、参鶏湯にかけて食べるのもおすすめです。
💡 以熱治熱(イヨルチヨル)
「熱は熱を以って治す」という意味の韓国のことわざ。熱は汗をかいて治す、暑さは熱いものを食べて治すという意味で使われます。暑い夏に滋養強壮のために食べる参鶏湯は「以熱治熱」の代表的な食べ物です。
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景福宮の近くに位置する参鶏湯が美味しいお店。メニューには日本語で参鶏湯の食べ方やおかず(バンチャン)の紹介が書かれています。注文時に渡される番号札は会計時にカウンターに渡せばOK。
この店の特徴は、高麗人参とナッツ類がたっぷり入った香ばしい参鶏湯。メニューは基本の参鶏湯と烏骨鶏の参鶏湯があり、烏骨鶏参鶏湯の方がスープが濃厚。しっかりと体力回復したい場合は、疲労回復や糖尿予防など身体に良い効能を持った山参培養根が入ったメニューがおすすめ。
ソウルで最も古い元祖参鶏湯のお店🎖️
2️⃣ 高麗参鶏湯 市庁本店
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ミシュランガイドがおすすめする老舗参鶏湯専門店。高麗サムゲタンは1960年から60年以上に渡って営業している伝統あるお店です。「韓国の参鶏湯」といえばX字に組まれた鶏の足と鶏のお腹に詰めたもち米、参鶏湯に入れる各食材を思い浮かべますが、これはこのお店から始まったとも言われています。
この店の参鶏湯は、透き通ったスープとさっぱりとした味わいが特徴。若鶏を使用し、4時間以上じっくりと煮込んで作られるため、鶏から出たダシが柔らかく、逸品です。ナツメのほのかな甘味と水蔘(乾燥させる前の高麗人参)の香りが印象的で、空腹を満たしてくれる柔らかいもち米まで、すべての調和が取れています。
💡 「老舗」料理屋とは
1つの料理で長い伝統とレシピを継承する飲食店のこと。長い間地元の人に愛されてきたお店だからこそ、韓国料理の魅力を深く感じられ韓国の食文化を垣間見ることができます。
ひたすらに参鶏湯だけを極める🎖️
3️⃣ 元祖ホスサムゲタン
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土俗村参鶏湯、高麗参鶏湯とともにソウル3代参鶏湯とも呼ばれるお店。有名なだけあり店内は混雑しますが、本館と別館があり回転が早いお店です。メニューは参鶏湯1つのみで、席に座るとすぐにグツグツと煮込まれた参鶏湯が運ばれてきます。
エゴマの粉がたっぷり入ったスープはとろとろで不透明なスープ。ピリ辛のカクテキとの相性も抜群です。カクテキやきゅうりなど野菜はセルフサービス。また、このお店はコチュジャンが美味しいことでも有名。ぜひきゅうりをコチュジャンにつけて食べてみて。鶏肉を割いて、鶏肉をコチュジャンにつけて食べてみるのもおすすめです。
💡 エゴマの粉とは?
日本ではほとんど聞かないエゴマの粉(ドゥルケガル)。韓国ではエゴマの粉が入った料理が数多くあります。参鶏湯や韓国式のすいとん(スジェビ)やナムルにも使われ、スープに入れるとトロッと香ばしさアップ。韓国では市場やマートなどで手軽に購入できる食材です。栄養価が高いことから、スタミナ料理にもよく登場する食材の1つです。
TVで紹介された人気のグルメ店📺
4️⃣ 3代参鶏匠人
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1973年から3代に渡り営業中の参鶏湯が美味しいお店。韓国の前大統領と有名芸能人が通うことでさらに有名に。韓国の要素が詰まったインテリアからも韓国に来たことを実感できます。注文時に渡される木の番号札は、会計時にカウンターに見せればスムーズに会計してもらえます。
このお店の参鶏湯は3種類。トロッと香ばしい「松の実参鶏湯」、ヨモギの香りが染み込んだ「ヨモギ参鶏湯」、淡白な「緑豆参鶏湯」。基本の参鶏湯を楽しみたい場合は、「松の実参鶏湯」がおすすめ。一般的には鶏肉の中にもち米が入っていますが、このお店ではもち米が別皿で出てきます。鶏肉を半分ほど食べてから、もち米をスープに入れて残りのお肉と一緒に食べると2通りの楽しみ方ができます。
首都圏各地に支店を持つ🥢
5️⃣ 百年土種参鶏湯 本店
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合井(ハプチョン)駅と弘大入口(ホンデイック)駅の間に位置するアクセスしやすいお店。過去にミシュランガイドと多数のTV番組で紹介された経歴を持ち、本館と別館があるため待ち時間が短い点も魅力。
基本の参鶏湯はもちろん、エゴマの参鶏湯や緑豆参鶏湯、黒ニンニク参鶏湯などメニューが豊富。スープは透き通っていながらも深い味わいで、身体に良いとされる韓薬を入れて作るため、韓薬の味も感じられます。また、成長期間の長い地鶏を使い、こしのあるしっかりとした肉の味を楽しめます。
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汝矣島(ヨイド)駅の近くに位置する参鶏湯のお店。ヨイド漢江公園やザ・ヒョンデ・ソウルに立ち寄った後にぴったりです。すでに基本の参鶏湯を食べたことのある人や一味違った参鶏湯を食べてみたい人におすすめの場所。
「黒米参鶏湯」はこのお店の人気メニュー。白いもち米の代わりに黒米を使い、紫色を帯びたスープの参鶏湯が出てきます。黒米の香ばしさとプチプチと弾けるような食感が魅力。味がそこまで濃くないので、塩や胡椒で好みに合わせて調整するとよいでしょう。
滋養強壮が必要な時には💊
7️⃣ Jin あわび参鶏湯 本店
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江南一帯に店舗展開するこのお店の名物は「アワビ参鶏湯」。韓国の代表的なアワビ産地である莞島(ワンド)でとれた新鮮なアワビが1匹まるごと入っています。生臭さがなく、海鮮が苦手でも食べやすい味。プリプリした食感が自慢で、固くなく、鶏やスープとの相性も抜群です。お米を平たくしてパリッと焼いた韓国伝統のおこげ「ヌルンジ」が入った、「おこげ参鶏湯」も人気です。淡白ながらも香ばしい味わいで、さらっと食べれる一品です。
Jin あわび参鶏湯 本店
飲食店 · ソウル(江南)