ソウルの新しい美術展示空間

異国で感じるアートの世界。旅行期間中に一度美術館を訪れてみてはいかがですか？言語に関係なく楽しめるのが美術作品。さまざまな作品を自分だけの観点で見つめ、心を整える時間を持つことができます。異国という非日常で出会う文化と芸術は特別な感動を与えてくれることでしょう。このマガジンでは、一度は行ってみたいソウルの展示空間8カ所をご紹介します。

韓国を代表する国立美術館。展示会によく訪れるという、BTSのRMも何度も訪問している場所。ソウルにはソウル館と徳寿宮（トクスグン）館の2カ所があり、ソウル館は景福宮駅または安国駅、光化門駅から近いところに位置しています。開放的な空間で、併設するカフェや芝の広場は週末になると多くの市民が集まる憩いの場となります。館内では、ビデオアートの巨匠、ペク・ナムジュンの作品をはじめ、 韓国または海外の有名作家の近現代美術作品が展示されています。環境や工学などその時々に合わせて展示テーマが変わり、映像や音楽などさまざまな方法で作品が表現されています。

韓国最初の女性造園家チョン·ヨンソンの個人展。テジョンエキスポ公園、仙遊島（ソニュド）公園、済州オソルロッミュージアムなど彼女が手がけた代表作とその過程を一目で見ることができます。単純に壁一面に写真を飾るのではなく、スクリーンや床などさまざまな方法で表現した彼女の作品の世界を見ることができます。

事物について多角的な視点で創作された作品が展示されています。展示は「事物の世界」、「見えない関係」、「ある未来」の3つのテーマで、私たちが見慣れた「モノ」を使用したアート作品を観覧することができます。

韓国で最も高い建築物であるロッテタワーにも美術館があります。流線型の構造をした展示空間は、これまでの美術館の雰囲気とは異なり、散歩する感覚で観覧できるのが特徴。主に、独創的な現代美術展示が開かれ、ソウルの中心部に位置することからソウルと関係の深い展示もよく開催されます。ロッテワールドタワーにはご飯の美味しいお店や人気のブランドショップ、展望台などもあり、一日中楽しめます。

1000年後の未来という設定でダニエル・アーシャムの作品が展示されています。博物館の所蔵品を活用して作られた古典、彫刻、アニメーションポケモンとの共同作品、遺物発掘作業を再現した大型設置作品など幅広いジャンルで展示されています。また、ソウルの展示を記念して制作された新作絵画とドローイングまで、彼だけの興味深い作品の世界を見ることができます。

BTS、BLACKPINKなど韓国の人気アイドルが何度も訪れた場所。韓国最大企業サムソンの文化財団が運営する私立美術館です。韓国の国宝や伝統古美術品から現代美術に至るまでのさまざまなコレクションを保有する、韓国最上級の美術館として評価されています。 企画展示以外に常設展示も開かれており、無料で観覧することができます。世界的な建築家によって設計された美術館の建物自体にも注目。螺旋階段と天井から入ってくる光がとても美しいのが特徴です。

無料展示もホームページまたは展示場でチケットを発券する必要があります。ロビーでは無料で日本語デジタルガイド機器を借りることができますので、パスポートを携帯しておくと良いでしょう。

先史時代から朝鮮時代まで韓国の伝統美術に関する古美術展。常設展示されており、美術館運営時間内であればいつでも観覧可能。建物の4階までテーマごとに磁器、絵画、仏像など120余りの作品が展示されています。作品が感覚的に陳列されており、見て回る楽しさがあります。

韓国系アメリカ人の概念、芸術作家の個人展。美術と香水、料理、科学を融合させ、感覚的な作品活動を見せる彼女の展示は2024年下半期、韓国で最も期待を集める展示の1つです。美術とそうでないもの、人間と人間でないものの境界を崩す、未来志向の実験的な展示を見ることができます。

韓国の2030世代に最も注目されている複合文化空間。明洞、聖水、西村などに店舗があり、キャラクター原画展、写真展、メディアアートなど弾けるようなトレンディな展示で若い世代から人気を集めています。展示会初心者の方や手軽に展示を楽しみたい方におすすめ。

韓国SF小説作家キム・チョヨプの代表作「わたしたちが光の速さで進めないなら」に収録された短編「共生仮説」を脚色し、企画された展示。アーティスト7人とともにユートピアに向かう7つのチャプターが3Dアート、モーショングラフィック、デジタルアートなどで表現されています。鮮やかな色合いの作品が印象的で、写真に収めてみるのもおすすめです。

現代美術と朝鮮時代を一度に観覧できる場所。韓国を代表する作家、イ・ジュンソプの作品から海外の有名彫刻家の作品まで、幅広く展示されています。展示館から繋がる庭園には朝鮮時代に建てられた亭子（景観を楽しむために建てられた伝統建築物）「石坡亭」があります。都心ソウルとは思えないような青々とした景観が魅力です。入場券で企画展から所蔵展、石坡亭まですべての観覧ができます。

イ・ジュンソプ、イ・ウファン、申師任堂(シンサイムダン)など韓国美術史を代表する作家たちの作品を一度に楽しめる所蔵展。作品に反映されたその時代の考え方や思想とともに作家の感情が表現された作品を見ることができます。特に油絵「白い牛」で有名なイ・ジュンソプの作品のうち、今回の展示で初披露された作品にも注目です。

光をテーマにしたメディアアート、彫刻、絵画などさまざまなスタイルの現代美術作品を見ることができる企画展。科学的な視点で解釈する「光」にとどまらず、哲学、文学など光が象徴するものを込めた作品までさまざまな視点で捉えた作品が展示されています。作品数が多くないため、気軽に観覧できる点もポイント。

世界4大ギャラリーの1つ、PACEギャラリーはNY、ロンドン、ソウル、香港などに支店を持つグローバルギャラリー。2024年に東京でも正式オープンしました。新進作家たちの個人展を多数開催し、定型化された展示ではない、挑戦的な独自の展示を開催しています。このギャラリーは無料観覧である点が大きな魅力。ゆっくり観覧できるのもポイントです。ギャラリーの1階にはPACEギャラリーと提携してカフェオソルロッが入店しています。店内はオソルロッらしいチェジュ島コンセプトでありながら暗い照明で高級感あふれる空間です。梨泰院、漢江鎮駅からもアクセスしやすく、三星美術館 Leeumにも近いため美術館ツアーにもぴったりの場所。

エチュード、イニスフリー、ラネージュなど韓国のコスメブランドを所有する企業、アモーレパシフィック。企業創業者が収集した美術品を展示していた博物館が美術館として再誕生しました。龍山（ヨンサン）に位置するこの美術館は、さまざまなテーマで展示が行われ、世界各国の美術館や博物館の展示図録などを所蔵するライブラリーも保有しています。建物内にはイニスフリーカフェ、オソルロッカフェなどアモーレパシフィック傘下企業のカフェもあり、コスメブランドを体験できるラウンジまで楽しむことができます。

韓国の人気プログラム「ユークイズ」BTS編の撮影地。伝統的な家屋と広い庭が印象的な空間が放送にも登場しました。ソウル城北（ソンブク）洞に位置するこの博物館は、朝鮮時代後期に製作された韓国の伝統木造家具2000点あまりが木の材料や種類、製作地域別に分類され展示されています。博物館の建物自体も、韓国の古い家屋を実際にこの場所に運び、博物館として再誕生させたことから、建物の美しさが際立つ特別な空間です。事前予約制で、観覧時にはガイドが同行するツアー形式で行われます。決められた展示時間以外には入場できないため、訪問する際には注意が必要です。